マツダスピード・アクセラに試乗

マツダスピードアクセラ
試乗日:2006夏のある日

世界最速のFF車、マツダスピードアクセラに乗ることができた。
ディーラー試乗車である。

解説:マツダスピードアクセラ
エンジン 2300直噴ターボ 6速MT
264馬力:38.7kgm

最初はセールスマン氏の運転で出発。
エンジンをかける。
アイドリングはハイパフォーマンスカーを感じさせない静かさ。しかしよく聴いてみると、重低音のエンジン音が底力を感じさせる。

さっそく走り出す。やはり乗り心地は硬い。路面からの突き上げがかなりある。聞くにアクセラ23Sの2倍硬いバネということで、納得。
もっともガチガチといったレベルではない。スポーティな走りが好きならなんとか許容できるレベルかな。

このセールスマン氏いきなりこんなことを言う
「アクセル踏みこんでみていいですか?」
するとシートバックに押さえつけられる強烈な加速・・・すごい。
セールスマン氏も「ウワー」とかなんとか言っている。

郊外の広い道路で運転チェンジ。
いよいよ運転席に乗り込む。

怒涛のトルク!マツダスピードアクセラ

少し走ってみて慣れてから、私もアクセル全開を試みた。

2速1500回転くらいから、徐々にアクセルを踏み込んでみる。
2500回転を超えるくらいから、デミオでは考えられないほどの加速がはじまった。そこで全開。スーッと顔の血の気が引いていくのが分かる。
3000回転を超えると、タコメーターとスピードメーターの動きがなにこれ!!と思うほど異常。息つく間もなく、90kmh近くに達して、慌てて3速にバトンタッチ。

一般道だからこのへんで加速はやめよう。

次に普通に加速してみた。
ターボというと、低速トルクが細いイメージがあるが、このエンジンは直噴エンジンのターボなので、意外と低速トルクがある。早めにシフトアップしても加速の余裕は常にある。

4速60kmh、約2000回転という、普通のクルマならあまり反応しないであろう状況で、アクセルを深く踏んでみた。このマツダスピードアクセラは、一瞬の間を置いて、強烈な加速が始まる。すごい。

怒涛のトルクだが・・・・

というわけで、どんな速度域、回転域からでも、アクセルを踏みさえすれば強烈な加速が手に入ることが分かった。

それでは、走って楽しいのか、ということを考えてみたい。

まず、エンジン。

例えば、同じアクセラの23Sと比較してみる。
アクセラ23SのエンジンはNAのMZR2300である。このエンジンは、マツダ4気筒で最高の出来といわれている絶品エンジンだ。
パワーは171馬力だが、回すほどに湧き上がってくるパワーと、回すほどに透明感が増し、最高にスポーティで気持ちいいエンジンサウンドが素晴らしい。

それと比較すると、マツダスピードアクセラは、エンジンパワーは5000回転で頭打ち、サウンドもイマイチ透明感というか、スポーティな音色がしない。
迫力はあるのだが、官能的なサウンドではないということだ。

そして怒涛のトルクであるが、これも走って楽しいか、と言われると意見が分かれると思う。
要は、3速でも4速でも、アクセルを踏み込めば強烈な加速を得られる、ということは、操る楽しさという点ではどうかな、ということだ。

マツダスピードアクセラ


マツダスピードアクセラと「ZOOMZOOM」

CARトップの河口まなぶさんの記事より抜粋

「マツダのZOOMZOOMにとって一番大切なのは、最高出力や最大トルクの大きさではなく、気持ちよさの大きさだからである。
だからエンジンで言えば圧倒的な加速力よりも吹け上がりの滑らかさや力がリニアに湧き出る感覚であり、ハンドリングで言えばいかに限界高く速くコーナーをクリアするかでなく、いかにドライバーが操っていることを感じながらコーナーをクリアできるか、なのである。
それがマツダの言い続けてきたZOOMZOOMではないか、と僕は思う」

「ハイパワー&高トルクは(略)、初めて乗るときは緊張し驚き興奮し感動する。しかしそれを毎日味わうと、徐々に普通になっていく。
しかしハンドリングの楽しさ気持ちよさは、瞬間的な刺激ではなく、永続的な感覚。(略)「慣れ」ることはあっても「飽き」が来るものではない。(略)」

この記事を読んで、深く考えてしまった私。
ZOOMZOOMというのは、走る楽しさ気持ちよさである。
マツダスピードアクセラは、ちょっとスペック重視に走りすぎた感があると思う。

それでもすごいマツダスピードアクセラ!!

ZOOMZOOM路線から少し外れているものの、すごいクルマであることは間違いない。
世界最強のFF車であることは間違いないし、これが何と241万円というのも、驚愕ものだ。エンジンサウンドに魅力がなくとも、ハンドリングがZOOMZOOMでなくとも、欲しくなる。

マツダスピードアクセラは少量生産だが、生産が間に合わないほどの人気なのも当然。
ほんとにあの怒涛の加速を味わったら、私も欲しくなってしまった。買わないけど。



axerams01.wav
  サイズ52KB 14秒
空ぶかしの音 5mほど離れて

axerams02.wav
  サイズ80KB 20秒
室内での走行音 最初エアコン解除音あり
2速で一瞬アクセル全開 3速でも全開にしようとしたが、あまりの加速にアクセルを戻している。けっこうスピード出てます。
以下比較用 NAのMZR2300(アテンザだけど)
atenza23sg02.wav
  サイズ73KB 18秒
アクセル全開加速 Dレンジにおまかせ
6000回転でシフトアップ

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