ロードスター試乗記

試乗車試乗記　（ＲＳ６ＭＴ　ディーラー試乗車）　2005/12

2005、2006年のカーオブザイヤーを獲得したロードスター。
どんなに楽しいものかと、マイカーを整備に出して待っている間、乗ってみることとした。

グレードはＲＳで、６速ＭＴ。
雨が降っててオープンではないけれど、
さっそく乗り込んでみよう。

まずは、セールスマン氏の運転から。
助手席に乗る。
ドアを開けてびっくりするのは、ものすごく低い着座位置。腰を落としこんで座る感じで、目線が低い。地面が近い。
今のマツダ車では、一番低い着座位置であることは間違いない。今現在、高い着座位置が流行っている日本車にあって、とても新鮮な印象がある。

助手席は広い。シートを一番後ろに下げると、足が組めるほどの広さがあるし、頭上空間も、思いのほかある。長身の人でもゆったりと座れる助手席だ。

エンジンをかける。エンジンスタート時もアイドリングもまあ普通。
走り出す。セールスマン氏は、エンジンもかけたばかりなのに、いきなりの高ダッシュで、街中に飛び出す。

郊外の広い道路で運転チェンジ。
いよいよ運転席に乗り込む。

運転席は幅方向がややタイトなものの、これは心地良いタイトさで、スポーツカーならでは。前後方向のゆとりはかなりある。
いずれにしても、ロードスターの車内というのは、想像以上に広いものだった。

最高に運転しやすく、最高に楽しいロードスター

自分のデミオはアップライトな運転姿勢なので、最初はロードスターの足を伸ばして座る運転姿勢に慣れなかった。それで、各ペダル操作も、走り出す前にちょっと練習してみた。ギアを動かしてみたり、空ぶかししてみたり。

そして、いよいよ、走り出す。

クラッチは思いのほか軽くストロークも深い。半クラッチの領域も広く、まことに発進しやすい。これならそうそうエンストなどしないはずだ。
いとも簡単に発進し、3000回転をめどに２速、３速とシフトアップしていく。このあたりのエンジン音はとても気持ちいい。常用回転域でいいエンジン音がするというのはとても大事で、飛ばさなくても気持ちいいエンジン音というのは、最近のマツダ車、ことにＭＺＲエンジン搭載車の美点である。

さて、このロードスターのエンジンはＭＺＲ２０００ということで、基本的にアテンザ、アクセラ、プレマシーにも搭載されているが、味付けは異なる。
ロードスターはＦＲということで、エンジンは当然縦置きなわけだ。エンジン自体にもロードスター用にはファインチューンが施してある。その結果ロードスター用は馬力が１７０馬力まで高められている。

というわけで普通に走っている時のエンジン音はアクセラ用ＭＺＲ２０００を連想させる。
では、高回転は？

ということで、信号が青になり、前方が一気に開けたので、アクセル全開にしてみよう。

１速でアクセルを踏み込むと、すぐに吹け上がったので、２速で全開にしてみる。
エンジン音は高いトーンに変わり、「カアーーン」という感じで硬質で全身の血液が燃えるような官能的な音をたてながら、グイーッと加速する。

コクッコクッとシフトレバーを２段階上に押し込み３速へ。アクセルを踏み込みつつクラッチを戻すとショックもなく、つながる。そしてまた気持ちいい加速・・・。

ロードスターは発進もイージーだったが、全開加速時のシフトチェンジも面白いように決まる。６速ＭＴのシフトフィーリングは手首の動きでカッチリ決まるし、クラッチ操作も分かりやすい。
このあたりは、誰にでも楽しめるスポーツカーなんだと、感心した。

ハンドリング、ブレーキ、乗り心地

今回の試乗フィールドは、新潟市郊外の直線道路やバイパスで、ハンドリングの楽しさまでは検証できなかった。というか試乗しているときはシフト・クラッチ操作やエンジン音に気をとられて、このクルマがＦＲということも忘れて運転していた。
車線変更は何回もしたけど印象に残っていない。ということはものすごく自然なハンドリングだったと言える訳で・・・。

さて、よかったのはブレーキである。
踏んだ分だけ制動がかかるというか、なんとも自然なフィールなのだ。強く踏んでみたり、弱く踏んでみたりしたが、自分の思ったとおりに減速してくれる。
マツダはブレーキにお金をかけている。実際国産車の制動距離一覧を見ると、上位にマツダ車が並ぶ。ミニバントップのＭＰＶや、国産トップのＲＸ－８など。このロードスターも国産トップクラスの制動距離の短さと好フィールのブレーキであることは間違いない。

画像使いまわし・・・一枚しかないもので・・・。

さて、このグレードはＲＳ。スポーツ仕様である。足回りもさぞ硬いんだろう、と思うのが一般的。ところが、実際乗ってみると、これが大間違いであることがわかる。
確かに硬めなんだけど、気持ちいい硬さなんである。路面からの不快な衝撃はカットし、街中でも郊外でも、路面のデコボコや継ぎ目などで不快に揺すられることはない。
１７インチアルミを履いているが、それが信じられない乗り心地の良さ。これなら、ロングドライブも苦にならない。例えばデートに使っても彼女に怒られることはない。

まとめ　　欠点のないロードスター

ロードスターは、普通の人が乗っても、腕に自信がある人が乗っても最高に楽しいクルマ。
最高のエンジンフィール、最高のシフトフィール、最高のブレーキ、最高の乗り心地・・・こんなに走らせて楽しいクルマなんてほかにある？
あ、忘れてたが、このクルマはオープンカーなんである。

というわけで最高に楽しいロードスターである。

しかし今はスポーツカーは冬の時代。
確かに２人しか乗れないし、ＦＲだから雪が降る地方では厳しいし・・・。
いくら楽しくとも、いくらカーオブザイヤーを受賞しても、経済的余裕と精神的余裕がある人じゃないと買えないのか？
セカンドカーに欲しいなあ・・・・。

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